分子代謝医学分野

研究内容

 分子代謝医学分野は、平成27年7月1日に名古屋大学環境医学研究所(ストレス受容・応答研究部門)に発足した新しい研究室です。基礎研究と臨床研究を繋ぐ立ち位置で、生活習慣病の病態解明や新しい治療法の開発に貢献したいと考えています。

 ライフスタイルの欧米化に伴って、我が国においても肥満が増加し、メタボリックシンドロームや様々な生活習慣病の誘因となっています。生活習慣病は遺伝素因と環境因子の相互作用により発症する代表的な多因子疾患ですが、我々を取り巻く環境の変化と生体のストレス応答が大きく関わっています。このメカニズムを明らかにするためには、1つの分子や1つの細胞に注目するだけでなく、各臓器を構成する多彩な細胞の相互作用や神経系、内分泌代謝系、免疫系を介する複雑な臓器間ネットワークを理解する必要があります。このような、細胞内、細胞間、臓器間の各階層におけるメカニズムが複雑に絡み合って形成される生活習慣病を解くキーワードとして、私たちは“慢性炎症”に注目しています。また、様々な環境変化の中で、私たちは、特に“栄養”に興味を持っています。即ち、過栄養や栄養飢餓といった栄養の“量”の変化に加えて、動物性の飽和脂肪酸や魚油に多く含まれるω-3多価不飽和脂肪酸、アミノ酸などの栄養の“質”の変化が、どのようにして“慢性炎症”に繋がるのかを明らかにしたいと考えています。

  1. 生活習慣病の基盤病態“慢性炎症”の分子機構の解明と医学応用
  2. “栄養”に対する生体応答の分子機構の解明と医学応用
  3. “医工連携”による生活習慣病に対する新しい治療戦略の開発

 

スタッフ (氏名をクリックすると、名古屋大学教員データベースの情報が表示されます)

教授 すがなみ たかよし
菅波孝祥
 助教 たなか みやこ
田中 都
 助教 おおた ひろや
太田紘也

主な研究業績

  1. M. Tanaka, K. Ikeda, T. Suganami, C. Komiya, K. Ochi, I. Shirakawa, M. Hamaguchi, S. Nishimura, I. Manabe, T. Matsuda, K. Kimura, H. Inoue, Y. Inagaki, S. Aoe, S. Yamasaki, Y. Ogawa. Macrophage-inducible C-type lectin underlies obesity-induced adipose tissue fibrosis. Nat. Commun. 5: 4982, 2014.
  2. Y. Iwasaki, T. Suganami, R. Hachiya, I. Shirakawa, M. Kim-Saijo, M. Tanaka, M. Hamaguchi, T. Takai-Igarashi, M. Nakai, Y. Miyamoto, Y. Ogawa. Activating transcription factor 4 links metabolic stress to interleukin-6 expression in macrophages. Diabetes 63: 152-161, 2014.
  3. M. Ichioka, T. Suganami, N. Tsuda, I. Shirakawa, Y. Hirata, N. Satoh-Asahara, Y. Shimoda, M. Tanaka, M. Kim-Saijo, Y. Miyamoto, Y. Kamei, M. Sata, Y. Ogawa. Increased expression of macrophage-inducible C-type lectin in adipose tissue of obese mice and humans. Diabetes 60: 819-826, 2011.
  4. M. Tanaka, T. Suganami, M. Kim-Saijo, C. Toda, M. Tsuiji, K. Ochi, Y. Kamei, Y. Minokoshi, Y. Ogawa. Role of central leptin signaling in the starvation-induced alteration of B cell development. J. Neurosci. 31: 8373-8380, 2011.
  5. M. Itoh, T. Suganami, N. Nakagawa, M. Tanaka, Y. Yamamoto, Y. Kamei, S. Terai, I. Sakaida, Y. Ogawa. Melanocortin-4 receptor-deficient mice as a novel mouse model of non-alcoholic steatohepatitis. Am. J. Pathol. 179: 2454-2463, 2011.

 

更新日:2016年04月01日